インストールが完了したら次はVoyage MPDの設定を行う。
これからやりたいこと(要件定義)は以下である。
・USB接続のDACから音を出す
・ハイレゾの音源ファイル(96k以上のPCM音源、DSD音源)を再生する
・NASをマウントし音楽再生する
・iPhoneでMPDを操作する
ついでに以下もできるようにしたい(part4にて)。
・省電力モードになっているNASを起動させる
・電源ボタンでOSをシャットダウンする
・iPhoneからAirPlay再生する
取り敢えず、音が出るようにするため上の4点を実施する。
まずはOSの設定から。
root/voyageでログインし、設定変更を保存できるようremountrwを実行。
root@voyage:~# remountrw
ログイン後remountrwを毎回入力するのが面倒なので、.bashrc の最終行にremountrwを追加。これで次回ログイン後、自動でremountrwが実行される。
root@voyage:~# vi ./.bashrc remountrw
タイムゾーンの設定。Asia → Tokyo を選択。
root@voyage:~# dpkg-reconfigure tzdata
今はDHCPからIPアドレスをもらっているので、IPアドレスが変動しないように固定設定する。
root@voyage:~# vi /etc/network/interfaces.d/eth0.conf #iface eth0 inet dhcp #DHCPを無効にする iface eth0 inet static #IPアドレスを固定する。↓以下環境にあった設定をする。 address 192.168.0.6 netmask 255.255.255.0 network 192.168.0.0 broadcast 192.168.0.255 gateway 192.168.0.1 dns-nameservers 192.168.0.1
USB-DACのデバイス番号を固定するため、デバイス番号を確認。
root@voyage:~# cat /proc/asound/cards 0 [Intel ]: HDA-Intel - HDA Intel HDA Intel at 0xee240000 irq 17 1 [UW10 ]: USB-Audio - YAMAHA UW10 YAMAHA Corporation . YAMAHA UW10 at usb-0000:00:14.0-1, full speed
0はオンボードオーディオ、1はUSB-DACなので、デバイス番号を1に固定する。
root@voyage:~# vi /etc/modprobe.d/alsa-base.conf #options snd-usb-audio index=-2 options snd-usb-audio index=1
続いて、mpdの設定。
音の出力先をUSB-DACへ設定。USB-DACがDSDのNative入力に対応してる場合はdsd_usbをyesすればよいが、未対応の場合はnoに設定。この場合DSDファイルを再生すると、DSD→PCMへ変換して再生される。
root@voyage:~# vi /etc/mpd.conf # An example of an ALSA output: # audio_output { type "alsa" name "My ALSA Device" # device "hw:0,0" optional device "hw:1,0" #USB-DACのデバイス番号1を指定 # format "44100:16:2" optional # mixer_device "default" optional # mixer_control "PCM" optional # mixer_index "0" optional dsd_usb "no" #USB-DACがDSDのNative入力に対応してる場合はyes }
設定を反映させるため、mpdを再起動。
root@voyage:~# /etc/init.d/mpd restart
次に、NASをマウントし音楽再生する設定。
常時起動しているNASであれば、/etc/fstabなどに設定を記載してOS起動時に自動的にマウントするようにすればよいが、ここでは省電力モードになっているNASを起動させてマウントするようにしたいため、autofsを使用する。なお、省電力モードになっているNASを起動させる設定はpart4で。
autofsのインストール。
root@voyage:~# mkdir /music root@voyage:~# apt-get update root@voyage:~# apt-get install autofs
autofsの設定。まずは、auto.masterファイルを編集。
root@voyage:~# vi /etc/auto.master # Sample auto.master file # This is an automounter map and it has the following format # key [ -mount-options-separated-by-comma ] location # For details of the format look at autofs(5). # #/misc /etc/auto.misc /music /etc/auto.nas #/musicに/etc/auto.nasで設定した領域をマウントさせる。
次に、NASをマウントさせるためのauto.nasファイルを新規に作成。
root@voyage:~# vi /etc/auto.nas nas -fstype=cifs,rw,noperm,user=user01,pass=password ://192.168.0.3/share/music #↑/music/nasにマウント ↑NASのuser名 ↑NASのパスワード ↑NASの共有フォルダ名
設定を反映させるため、autofsを再起動。
root@voyage:~# /etc/init.d/autofs restart
正常にマウントできるか確認。autofsは対象のディレクトリにアクセスして初めてマウントされる。ここでNASのファイルが見れないようであれば、autofsの設定がおかしいか、NAS側のアクセス権に問題ないか確認する。
root@voyage:~# ls /music/nas High-Resolution Audio Music iTunes rec #←NAS上のフォルダ/ファイルが見えることを確認
Voyage MPDのmusic_directoryからNASの共有フォルダをマウントしたディレクトリへシンボリックリンクを張る。
root@voyage:~# ln -s /music/nas /var/lib/mpd/music/nas
mpd を再起動し、音楽ファイルを読み込ませる。
root@voyage:~# /etc/init.d/mpd restart
この後は、MPDクライアントソフトからMPDへアクセスし音楽を再生する指示をかける。Windowsだと、Gmone Music Playerなどがあるが、ここではiPhone(iOS)用のMPDクライアントソフトMPoDでアクセスしてみる。
同じLAN上にいれば、MPoDのConnectionsに自動的にVoyage Music Playerが現れる。SettingsでUpdate datanaseを実行後、しばらくしてRefresh local cacheを実行する。
MenuよりBrowseを選択すると、マウントしたNASが見える。あとは、ファイルを選択すると再生される。
もし音量が小さい場合は、alsamixerで調整する。
root@voyage:~# alsamixer
オーディオデバイスが複数ある場合は、F6キーで対象のオーディオデバイスを選択する。上下キーで音量の調整ができるので、[dB gain: 0.00, 0.00]になるよう調整する。
今回は、検証のためUSB-DACとしてYAMAHA UW10という、かなり枯れたDACを使用したが、DSDもPCM変換ながら再生できた。この後、ハイレゾ/DSD対応のUSB-DAC OPPO HA-1を接続してみたがこちらも問題なく、DSDのNative再生も安定してできた。
次は、残りの設定を行う。
→part4へ